悪魔のように細心に天使のように大胆に BABYMETAL考

今、世界屈指のライブパフォーマンスをもって世界を席巻中のベビーメタル!アイドルの楽曲には興味をひかれない方ですが、ベビーメタルは年甲斐もなく応援したくなってしまいます。とにかく素晴らしいのは、ベビーメタルの三人の乙女の、若さにもkawaiiにも甘んじることのないプロフェッショナル魂でしょう。ベビーメタル(ユニット)の魅力はネットで様々に語り継がれています。ここではちょっと心理分析的にその魅力を考えてみたいと思います。

興味深いことに、ベビーメタルは守護神が日本では憑依現象で有名な狐だそうです。この狐神はベビーメタルユニットのコマーシャル上でのストーリーとして仕組まれたものにとどまらずに、アイドル出身の三人をまるで巫女やシャーマンの憑依現象のようなレベルにある感情移入状態に導いているかのようです。実はこの狐神は、ヘビーメタルで用いられる人差し指と小指を立てるメロイック・サインを見せられた三人のアイドルが「狐さんだ!」と勘違いした時に、ベビーメタルユニットに関わる全員に憑依したのです。このことはあながち冗談だけでなく、真面目に打ち出していたら強い拒否にあいかねない狐神が、お遊び性やユーモア性を持つことで絶妙にベビーメタルユニットの支え役、まとめ役となりえたといえるでしょう。

そんなベビーメタルの最大の魅力はもちろんライブパフォーマンスにあります。 狐神に導かれた三人の巫女(シャーマン)はその場において何物も恐れない神がかりのパワーを発揮して観客を単なる祭りを超えた祭儀といえそうな世界へと導いていくのです。

もう一つ興味をひかれる点は、メタルとアイドルという相反する要素が見事にまとまって高レベルのエンターテイメントパワーを発揮しているところです。映画というエンターテイメントアートの世界で偉大な実績を残した黒澤明監督の名言に「悪魔のように細心に天使のように大胆に」というのがあります。物事を成し遂げるにあたって必須である相矛盾する要素を的確にまとめ上げて表現した格言です。ベビーメタルユニットは、それをみごと、そのままに体現しています。

聖飢魔Ⅱに見られるように悪魔崇拝など、オカルト的な要素までを持つヘビーメタル。その流れを汲んで、邪悪と正神とを区別しかねる要素の狐を守護神に持ち、神バンドと呼ばれるわりにはコープス・ペイントによる悪魔顔をして素顔は見せないバックバンド。高レベルの演奏テクを身につけた彼ら、その神バンドが細心の注意を払いながらも激しく演奏するヘビーメタル楽曲。それには近年徐々に西洋に浸透しつつあった、日本文化が下地になって受け入れやすくなっていたであろう、あまりにもタイムリーな、オリエンタル楽曲と祭りの要素が、新たにブラッシュアップされて取り入れられています。

BABYMETAL – AKATSUKI「紅月アカツキ」BLACK NIGHT HD1080p

それらをバックにメインボーカルのSU-METALは男前とまで称される全存在を賭けた満身の気迫で、恐れをつゆとも顕さず、爆音の中においても良く通る(Su-metalの音声周波数分析までされる)声でストレートに歌う。また世界に誇る演出振付家MikikoMetalの振付による舞を大胆に、 舞い踊る両サイドの天使たちYUIMETALとMOAMETAL。まさに黒澤明監督の言う「悪魔のように細心に天使のように大胆に」を地で行っているではありませんか。

これらの相反する要素の組み合わせによる、そのライブパフォーマンスは、今現在、世界ナンバーワンといえるでしょう。もちろんこの相矛盾する要素をひとつにまとめ上げたプロジェクトスタッフもこのユニットをとても大切に、それこそ細心の注意を払って育て上げているようです。

BABYMETAL Karate Live Palladium (RIP KoGami)

しかし、悪魔と天使。この二つの要素の組み合わせによるパワーは本当に世界を救うための大きな一助になるやもしれないのです。それは三人の乙女の一心不乱なエンターテイメントによってなる感動の救いと、それを見る人の内なるロマンティックアニマや天使(霊的アニマ)を呼び覚まし、騎士道精神を取り戻す救いだけにとどまりません。

相矛盾する要素を見事にひとつのエンターテイメントにまとめ上げた、ベビーメタルのパフォーマンスを見ている者に、思考や価値観の転換が立ち起こる可能性があるからです。それとは知らぬ間に、一面的思考や一方的に偏った価値観に捕らわれていた人々を、相反するものを含めて多面的にセットされた全体像を見ることのできる人へと変えていく可能性があるのです。合掌。

 『ウィキペディア フリー百科辞典より抜粋させていただいています』…中国ではこれを魚の形に見立て、陰陽魚と呼んでいる。黒色は陰を表し右側で下降する気を意味し、白色は陽を表し左側で上昇する気を意味する。

魚尾から魚頭に向かって領域が広がっていくのは、それぞれの気が生まれ、徐々に盛んになっていく様子を表し、やがて陰は陽を飲み込もうとし、陽は陰を飲み込もうとする。陰が極まれば、陽に変じ、陽が極まれば陰に変ず。陰の中央にある魚眼のような白色の点は陰中の陽を示し、いくら陰が強くなっても陰の中に陽があり、後に陽に転じることを表す。陽の中央の点は同じように陽中の陰を示し、いくら陽が強くなっても陽の中に陰があり、後に陰に転じる。太極図は、これを永遠に繰り返すことを表している…

 『akioiwai.com 信心銘(三)から抜粋させていただきました』

…考えや感覚の世界である有を追ってはいけない。無為の世界の空の中に陥ってもいけない。一体性の中に穏やかにあれば、すべての問題は自ら消滅していくだろう。

心の動きを止めて静かにしようとすると、その静かにしようとする働きがさらに心を動かす。有と空、動と静というようなどちらかの極端にいるかぎり、決して本来の一体性を知ることはできない…

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